【評価レビュー】GUNSLINGER GIRL 作者:相田裕
月刊コミック電撃大王:2002年7号月〜2012年11月号
【評価 87点】※採点基準についてはコチラ
◆総評
「面白い、すごい」そんな評価軸からは外れ、
「この作品を通して見る世界の在り方」について考えさせられてしまう。
面白いというのは当然で、この漫画から多くの人が世界について考えさせれたと思う。
個人的には本作を「愛と希望」の物語だと思っている。
対象的なのがジョゼとジャンの兄弟だ。真に愛する者を持つジャンは死線を乗り越え生き延びた。しかし愛する者を結果的に見出せなかったジョゼは死へ向かってしまった。
本作には、社会福祉公社側・五共和国派どちらにも愛する者を持つ人や失った人たちが愛を守るため、復讐のために戦っている。だが、果たしてその愛だけで人が生きていけるのかと言うとそうではない。愛を持ち、愛を失った末に復讐に走り、その復讐を終えたときその人は死んでしまうのか。そうではない。愛を尊び、生きていればまた新たな愛に出会えるのだ。
それをこの世界では「希望」と呼んでいる。
こんなメッセージを本作から私は受け取りました。
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【ランキング】2020年上半期オススメ新作ベスト20
2020年1月1日〜6月30日までに発売した新作コミックで個人的オススメランキングを作成しました! 個人的趣味嗜好も多いですが、続刊作品については今後の期待も込めてのランキングにしております。
▼2020年上半期オススメ新作ベスト20
続きを読む【評価レビュー】シュトヘル 作者:伊藤悠
週刊ビッグコミックスピリッツ 2009年4・5号〜月刊!スピリッツ 2017年5月号
【評価 73点】※採点基準についてはコチラ
◆総評
あらゆる意味で挑戦的な設定の漫画。
少年が文字という文化を残すため、半人半獣のような「言葉を重んじない」わかり合えないものたちとの戦いを描いた本作。
様々な復讐劇と積み重なる死と陰謀と策略が交差した本作は当然読んでて飽きないし結果的には面白かった。
ものすごく元も子もない感想をいうと「これ、文字を巡る戦いじゃなかったらもっと面白かったんじゃね?」という無粋な感想になってしまった。
絶対にこのシュトヘルという作品に満足している人はたくさんいると思う。しかし、逆にもっと楽しめたなと思っている人もいると思う。
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