【評価レビュー】寄生獣 作者:岩明均
寄生獣 作者:岩明均
モーニングオープン、月刊アフタヌーンにて1990年1月号~1995年2月号
【評価 92点】※採点基準についてはコチラ
◆総評
面白が過ぎる。パラサイトの設定、新一の普遍的な魅力、根底にあるテーマ、終わり方。どれをとっても最高峰の作品。一番面白い漫画はなに?のアンケートを然るべきところで取れば間違いなくこの作品が一位になるでしょう。基本誰が読んでも面白い本作ですが、なぜ-8点することになったのか、言い訳のような各項目解説へ続きます。
◆点数内訳
・キャラ、世界観、設定(20点満点)
【17点】
-3点の理由は、パラサイトの正体への追及をしなかったことです。ただ、おそらくパラサイトの正体を追及した物語を展開した場合、漫画としての面白さが犠牲になり全体的な点数は落ちていたと思います。
寄生獣完結後に描かれた「七夕の国」では寄生獣でいうところパラサイトの正体を明かす物語展開になっています。結果としては、謎を明かしたところで面白さに昇華することはなかったです。寄生獣においてパラサイトの正体追及を行わなかったことは、おそらくベストの選択だったと思います。
・エンターテイメント(20点満点)
【18点】
寄生獣の凄いところは、バトル、恋、笑いの総てをしっかり取り込んでいるところです。現代を舞台にしつつ、バトルを頭脳戦に持ち込むことで面白く描いています。恋模様についてもヒロインを何人か出しつつも村野と結ばれる王道で満足です。笑いについてもミギー(ボケ)、新一(ツッコミ)の漫才は最高でしたね。
-2点については、決めゴマで迫力ある絵を描けなかったことです。圧倒的構な成力で読んでいてもそこまで気にはなりませんが、新一が島田を投擲で殺すシーンや、加奈が死ぬときに登場した白馬の騎士の姿の新一などは、画力があればもっと魅力的なシーンになっていたでしょう。
・ストーリー(20点満点)
【18点】
寄生獣については、なぜ20点満点を出してないのかの理由を無理にでも言わないといけないのが辛くなってきましたね。
-2点の理由は、物語の方向性を変えたことですね。BSマンガ夜話でも岡田斗司夫が言っていましたが、ミギーが敵側に回ってしまうルートが示唆されていたが、面白い漫画を描くうえでそのルートを描くことをおそらく取り止めています。
それの何が悪いんだ。という話になりますが、最初から結末を固定し一話からラストに向けて最高のストーリー展開をしてくれる漫画が現れたときのためにも-2点としています。
・面白さ(20点満点)
【20点】
文句なしに面白い。読者の予想を裏切り、期待に応え続けた本作は本当に圧巻です。
・終わり方(20点満点)
【19点】
うん。最高です。浦上をラスボスにして、最後にちょっとした奇跡が起こる。何度読んでも涙が止まりません。
-1点の理由は、ミギーが居なくなった理由の言及とかパラサイトとは何かについての言及がないという部分です。
以上となります。