オタしなみ

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【評価レビュー】NARUTO 作者:岸本斉史

NARUTO 作者:岸本斉史
週刊少年ジャンプ1999年43号 - 2014年50号 にて連載

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【評価 83点】※採点基準についてはコチラ

 

◆総評
世界共通言語「NARUTO」となった偉大なコミック。個人的には、最高のエンターテイメントコミックだと思っている。NARUTOは圧倒的に読みやすい。ストーリー漫画でありながら、72巻という大風呂敷を畳み切った上で読者を置いてきぼりにすることなどなかった。勝手な解釈だが、岸本先生は「世界で一番面白い漫画」を描くことを敢えてしなかったように思える。ジャンプのもう一つの看板、ワンピースが世界設定を練り上げ伏線ばら撒きながら「世界最高の漫画になってやる」という気概を見せびらかしている横で、NARUTOはただただ読者に読みやすい少年漫画に徹しきっていた。そして、ラストは最初からずっと作者が大事にしてきた「絆」を前面に押し出し次世代へ繋げた。タイトル通り主人公「NARUTO」を描き切った職人、岸本斉史先生には感謝しかない。

 

◆点数内訳

・キャラ、世界観、設定(20点満点)

【18点】
キャラクター造形だけなら間違いなく満点でした。キャラ作成に関しては、漫画界No.1と言っても過言ではないと思う。
世界観に関しては、「NARUTO」というキャラを描くためだけの漫画が72巻という超大作になった時点でどうしても世界の命運を懸けた戦いをしなければならないせいでチャクラの起源やらなにやらを描くためにどうしてもボロが出てしまった。
ただ、個人的にはそこはどーでもよくて形質変化の修行でカカシ先生が途中で説明をやめたシカマルたちの使う陰陽について教えて貰えてないことがこのー2点に一番繋がってます。めちゃ気になってるんだが……。

 

・エンターテイメント(20点満点)

【18点】
キャラの個性だけに頼った概念のないバトルにも関わらず、なぜここまで面白いのか……。
「念」という概念で読者にバトルの見せ方を変えたハンター×ハンターとは真逆であり、キャラ個性のみに頼ったまさに作者の腕力だけで魅せるバトル描写。岸本先生の持つ忍者という無限のキャラを内包した固有結界能力があるこそできるバトルには本当に魅せられた。
恋愛要素も敢えて映画に任せるところも大好きです。-2点は、バトル描写の限界値がワールドトリガーのせいで広がってしまったため。

 

・ストーリー(20点満点)

【14点】
NARUTOは何編と区切ることは出来るが、ストーリーはかなり一環している。最初の波の国編以外はほぼ一繋ぎのストーリーになっており、次の物語の布石が内包され、無理なく物語は続いている。72巻もそれを続けた時点で、相当ヤバイと思う。
ただ、ストーリーを進める上での常套手段がナルト教へ教祖自らが勧誘し、敵を懐柔して次に進んでいく展開が多かったのが目についた。憎しみの連鎖を断ち切るためには、やはり宗教しかないのか……。

 

・面白さ(20点満点)

【13点】
仕方ないが、ネジの死以外はあまり予想ガイのことが起きなかったのは少し寂しい。少年漫画だからこそ、王道でみんなが期待するストーリーを提供するのは当たり前なのでなんとも言えません。

予想を裏切るイタチが正義側だったと明かすが、じゃあ三代目はどんだけ無能なんだと。逆に予想裏切ることで他の部分に疑問が出たりしていたのが辛いところ。
ただ、バトルに於いての敵の倒し方などはしっかりと予想を裏切り、期待に応えていたと思う。

 

・終わり方(20点満点)

【20点】
※サスケとかいうヤツには触れません。
「絆」というテーマを掲げた作品としてこれ以上の終わりはない。72巻、最終巻の表紙を初めてみたときは本当に泣いた。7代目火影を背負ったナルトとこの後も続いていくであろう木の葉隠れの里を最後に見せて終わる。本当に最高でした。ありがとうナルト!

 

以上となります。