オタしなみ

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【評価レビュー】友達100人できるかな 作者:とよ田みのる

友達100人できるかな 作者:とよ田みのる

アフタヌーン:2009年3月号〜2011年4月号

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【評価 77点】※採点基準についてはコチラ

 

◆総評

5巻完結漫画には傑作が多い。その提言の礎的存在である名作漫画です。

「宇宙人に侵略された地球を滅亡から防ぐために、人類に愛があることを証明しなさい。
 そのために、小学三年生に戻り友達を100人作ってください」

突飛だけどキャッチーな設定と、とよ田先生特有のコミカルなキャラクターとテンポによって形成されているこの漫画は大人に向けたドラえもんそんな印象を個人的に持っています。

どこの誰が読んでも心が温かくなる漫画、ぜひ読んでほしい作品です。

 

◆点数内訳

・キャラ、世界観、設定(20点満点)
【19点】

否定するところは一切ない。
キャラクターは最高です。36歳、小学生教諭の主人公が小学三年生に戻る。いやぁ最高ですね。宇宙人である道明寺さんもたまりません。彼女のギャグに何度爆笑させて貰ったかわかりません。

サブキャラクターである学校の友人たちは漫画だけでなく日本人が紡いできた既視感のある同級生ばかりで本当に心温かくなりました。

満点出ない理由はそこまでないですが、宇宙人側の便利アイテムがちょっと気になるくらいですね。

 

・エンターテイメント(20点満点)
【14点】

友情・努力・勝利!全部ある!!

友達を作るってこんなに楽しいことなんだなって本当に感動した。

新たな相手を見つける⇨友達になろうとする⇨友達になる。
これだけのサイクルなのに全然飽きないのが不思議だった。本当に100人分あっても最後まで楽しめただろうなと思ってる。

唯一難しいのは、主人公の成長が描けないことですかね。実際はちょっとありましたが、明らかな成長を生徒側でもいいから全面に描けないのはやっぱり大変だなと思いました。

学園戦記ムリョウ的な宇宙人側に秘密がもっとあって、大人ももっと絡んで来てたらその辺りがもっと盛り上がった気もしますね。

 

・ストーリー(20点満点)
【14点】

ストーリー展開として、特に第一話の完成度が高すぎる。完璧の第一話でした。
改めて読むと鳥肌が立つほど面白かった。

結果的にラストがどうしても駆け足になったことは残念でしたね。ただ、本当に100人描くにしても何かしらの大きな変更がないとそこまで持たないのかなとも思ってます。

 

・面白さ(20点満点)
【13点】 

いやぁ、こいつとは友達無理でしょ!?地球が滅亡しちまうーーー!!

って展開からの逆転劇に何度も楽しませて貰いました。この設定は、魅力的な友達を描けるとよ田先生にとって本当に無敵の設定だと思う。

普遍的な日常の面白さに「すこしふしぎ」な要素があわさった心地良さが最高です。

 

・終わり方(20点満点)
【17点】

エピローグももっと読みたかったし、もっとじっくり最後を読みたかった。絶対に読者が満足する最後を描くにはページが足りないよ!!!!

いやいや、そんな状況下で120%を出してしまうのが、直行くんととよ田先生ですよね。
最後のページであるカバー裏の一枚絵は本当に感動した。

この唯一無二の答え感が、友達100人できるかなを象徴してますね。

 

以上となります。