オタしなみ

漫画の点数レビューがメインです。

【ランキング】2020年上半期オススメ新作ベスト20

2020年1月1日〜6月30日までに発売した新作コミックで個人的オススメランキングを作成しました! 個人的趣味嗜好も多いですが、続刊作品については今後の期待も込めてのランキングにしております。

2020年上半期オススメ新作ベスト20

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 位 アンデッドアンラック 作者:戸塚慶文 掲載誌:少年ジャンプ
「一線を画する考え込まれた設定とストーリー」
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今年の新作コミック上半期第1位はアンデッドアンラックにしました。
キャラクターデザインと他諸々はさて置き、この漫画は抜群に面白い。
特に設定とストーリーは考え尽くされ具合が最高。

超能力が存在する漫画は星の数ほどあるが、「なぜ超能力が存在するのか」これを説明できるかが漫画としての格が今までは決まっていた。ただ、次世代の少年ジャンプ作品と推される本作は「なぜ超能力が存在するのか」では留まらず、「こういう理由で超能力が存在しているだからこそ、この世界はこういう問題を内包している」という今までの漫画のストーリー軸とは一線を画す視点で描かれている。

他の漫画雑誌追随を許さない最強の漫画雑誌、少年ジャンプだからこそ読める意欲作。
多分アニメ化されたらすごく人気になる気がする。

 

 

 

 位 竜女戦記 作者:都留泰作 掲載誌:平凡社 描き下ろし
文化人類学者の描く歴史ハイファンタジー開幕」
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ナチュン』や『ムシヌユン』で知られる都留先生次作が、SFではなくファンタジーという衝撃に感動すら覚えました。しかも歴史漫画的要素もあるファンタジーという文化人類学者でもある都留先生が全力を注ぎに来た感がまたワクワクさせてくれます。

内容については、いつも通り流石でございますというコメント以外まだしづらいのですが、今回は女性が主人公です。都留先生の描く女性キャラはいつも魅力的だ。男性キャラは異様に気色悪く描かれるのだがいつも女性キャラだけは魅力的に描かれている。

そんな都留先生がついに女性を主人公に据えてくれました。
本作の類似作品はおそらく本当に『十二国記』だと思う。ただただ続きが楽しみです。

先生のインタビュー記事が平凡社より出ているのでぜひ読んで欲しい。都留先生が鬼滅の刃鋼の錬金術師、ゲームオブスローンズを好きという事実に驚愕しました。人体模型とかを食べたりして日々を過ごしているのかと思ってました。

https://www.heibonsha.co.jp/files/『竜女戦記』刊行記念インタビュー.pdf

 

 

 位 歌屑 作者:伊藤悠 掲載誌:ウルトラジャンプ
「待ち望まれた最強の短編集、ついに刊行」
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シュトヘル』『皇国の守護者』で知られる伊藤悠先生の2000年頃に描かれた作品が多く掲載されている短編集がついに刊行されました。

この2020年のベストに入れるのは少し違うかと思いましたが、刊行されたんだから仕方ないのです。 そして、この伊藤悠先生という漫画家マジですごい。

どの短編も素晴らしく面白いのだが、伊藤悠先生は演出力が抜群に高い。どの短編も間違いなくその物語において一番面白い部分が描かれている。

漫画学校とかで教材として扱われてそうなほど、お手本のように面白い最高の短編集でした。

 

 

 位 Shrink 漫画:月子 原作:七海仁 掲載誌:グランドジャンプ
「精神科という日本では何故か特別になっている現場を描く」
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月子先生がまさか医療漫画を描くとは・・・。ただそんな驚きも束の間の面白さ!!

日本では「特別」な場所として扱われがちな精神科。そんな精神科の個人病院を舞台に魅力ある弱井先生を中心に様々な物語が描かれています。

単純にいい医療漫画です。精神科はみんな普通に行くべき場所。そんなテーマがあるからこそ、ここまでまとまったいい漫画なのかなとも思います。

 

 

 位 ピーナッツバターサンドウィッチ 作者:ミツコ 掲載誌:with online
「29歳OL4人のリアルに迫る今後超推し間違いなしの少女漫画」
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2017年から連載されていた待望の作品、ついに単行本化!
29歳4人のOLが婚活が描かれる本作。

群像劇としての面白さもあるが、4人とも結構辛い恋愛や実生活を過ごしている。そんな4人の「うわ、辛そうだな。。。」そんな日常を描いた後の4人が集まって楽しくグチっている。
そんなどこかリアルな雰囲気が本作は非常に良い。

ドラマ化も決まったみたいなので、超大ヒットの予感が勝手にしている楽しみな作品です。

 

 

 位 時間停止勇者 作者:光永康則 掲載誌:月刊シリウス
「最高の俺TUEEEEE!というより俺頑張れえええええ!」
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表紙見て、違うなと思った男性陣ちょっと待ってくれ!!!!!!!!!
この漫画めちゃおもろいのよ。『怪物王女』を描いている光永先生の最新作なのですが、まさかこんな超おもろい漫画描けるなんて誰が思っていたのでしょうか?⇦超失礼。

でもビックリするくらい面白かった。
爆笑とエロと俺TUEEEE!を楽しませつつ、しっかりと長期スパンで話構成も考えられている読んでいて本当に飽きない作品でした。

 

 

 位 花松と5人の女 作者:佐藤啓 掲載誌:Dモーニング
「配送業という闇に刑期15年を終えた元ヤクザが立ち向かう!」
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みんな、最高だから1話を読んでくれ!!!
花松と5人の女 - 佐藤啓 / 第1話 仁義なき配送 | コミックDAYS

いやぁ、この漫画をベスト3に入れたかったのよ。それくらい1話からの序盤の流れは最高だった。パリピ孔明的流れからの配送業の闇の裏側を描く業界もののままだったら本当に神漫画になれたとも思う。

作品の方向性が途中から5人の女に傾倒していったのが少し勿体無かったが、それでも個人的には7位です!!!!!!

また次回作を楽しみに待ちませう。 

 

 

 位 紛争でしたら八田まで 作者:田素弘 掲載誌:モーニング
「本当に”為”になる漫画。らしくない面白さ」
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漫画好きが描いているとは思えない、異色な文法で生み出されている漫画だと思う。

世界の情勢を描くという凄まじいテーマを八田という魅力あるキャラだけで漫画としてまとめてしまっている凄まじさに感動すら覚えました。

為になる漫画はたくさんありますが、人の価値観を広げる漫画である本作は、本当の意味で一番人の人生を変える可能性が高い漫画だと思う。

学生が立ち寄る現代歴史のコーナーとかに置いてて欲しい一作。
4巻とかで池上彰先生の推薦帯、待ってます。

 

 

 位 宙に参る 作者:肋骨凹介 掲載誌:トーチWEB
「漫画好きが求めるSF濃さとネタの濃密さ」
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世の漫画好きを虜にすることが表紙と作者名だけで分かる。たまらんね。

SF内容が濃すぎるとやっぱり話として重くなってしまう。だからこそ細かな設定に凝りつつ、夫の遺骨を運ぶ中での思い出に溢れたストーリーラインがすごくちょうど良い。

そんな中、1話1話の密度だけは超重厚という最高加減。

 

 

 10 位 シャンピニオンの魔女 作者:樋口橘 掲載誌:マンガPark
「ディティール全振りのバッドエンド絵本 的面白さ」
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少女の容姿と優しい性格の黒魔女ルーナに触れると毒キノコが生えてしまう。だから誰も触れることは出来ない。そんな絵本のような世界観で残酷な設定を持つルーナの恋心も垣間見せる人との関わりが描かれている。

本作は世界観のディティールが最高です。
細かな不思議なルーナの友達の動物やきのこ達の描き具合が最高です。少女漫画は本来ディティールに拘る作品は少ないハズなのに、経験豊富な樋口先生だからこそできる描き込み具合。

漫画のコマの中でしっかりと演技しているきのこ達の可愛さにぜひ注目して欲しい。

あととんでも無いほどのバッドエンドを何故か期待してます。

 

 

 11 位 往生際の意味を知れ! 作者:米代恭 掲載誌:スピリッツ
「ちょっと頭おかしいヤツとガチでイカれてるヤツを描く選手権第一位」
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おい、絶対これちゃんとオチつくんだよな?

って言質をどうしても取りたくなるのでちょっと順位低めです。
でもやっぱり米代先生凄いですね。頭おかしいキャラを描けるっていうのはやっぱり武器ですね。小説っぽいキャラ作りに設定はどこまでも漫画らしい。それが唯一無二のブランドを作り上げているのかなと感じます。

明らかに作り込まれている本作で唯一疑問なのは、表紙の精子が明らかに量が多すぎて違和感あるし、サラッサラなので精子じゃないです展開以外納得できない問題をどうするのか。

 

 12 位 九龍ジェネリックロマンス 作者:眉月じゅん 掲載誌:ヤングジャンプ
「性癖全部り最強ヒロイン、完成」
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おい、絶対これちゃんとオチつくんだよな? パート2

眉月先生の場合は、前作はちゃんと締まってたので安心しているとは言え、すげー物語思いつくなぁと感心してしまいます。

この性癖全部り最強ヒロインをデザインした上で、ストーリーまでガッツリ描く辺りがやっぱり凄いなぁと思います。

いつ見てもこのヒロインたまらん。

 

 

 13 位 雑貨店とある 作者:上村五十鈴 掲載誌:週刊漫画TIMES
「おいしい雑貨店の微笑ましい日常」
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上村先生の漫画をまた読める幸せに肩まで浸かって楽しみませう。

デキる高校生魅力ってなんでこんな眩しいんですかね。
あと接客業の大切さが案外しっかり描かれているの大好きです。

大好きな作者の新作って幸せ。

 

 

 14 位 花丸町の花むすび 作者:むんこ 掲載誌:まんがタイム
「ほら、みんなむんこ先生を楽しめるタイミングが来たぞ」
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むんこ先生の描く優しい世界観ほんと大好きなんですよね。

優しいだけじゃなくて、生活感がなんかあっていいんですよ。
むんこ先生を読んだことないがない人はぜひ、いい機会なのでぜひ読んで見てください。
ギリギリ去年出た『なごむさんとひろみちゃん』とか凄いおすすめです。多分今年出てたら、5位くらいに入れてたと思う。

 

 

 15 位 ツビッキーコレクション 作者:坂田靖子 掲載誌:JOUR
「坂田先生の漫画楽しめて幸せ」
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なんて言えばいいんですかね。
女性版、諸星大二郎的な魅力がある作品です。

博物館に並べる奇妙奇天烈なアイテムよりもキャラのが濃いのが凄いいいなって思わせてくれました。あと嘘臭い数々のアイテムのデザインがホント嘘臭くて最高でした。

 

 

 16 位 水野と茶山 作者:西尾雄太 掲載誌:月刊コミックビーム
「田舎の闇と青春と陰鬱とした高校生たち」
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百合作品の名手となられた西尾先生が描いた前作と舞台が真逆で次に足して来た要素が闇深さというのが最高でしたね。

田舎の闇というそこで暮らす人々にとってはすごく深く濃いものに感じられているけど、一歩その町を出てしまえばなんて事のないものだった。そんな空気感が大好きです。

 

 

 17 位 無能の鷹 作者:はんざき朝未 掲載誌:Kiss
「最強の女、無能につきご了承ください」
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見た目が超有能な鷹野さん、実は無能で何にも出来ない。
そんな彼女を営業の相棒として連れて行くと……。

この設定無敵なんですけど、無能の鷹野さんにピンチを作り出されたときの絶望感が読んでてとんでもない。
「こ、こんな状況、、、絶対に鷹野さんじゃ、、、、、」
そして、ガッツリ乗り越えてくるという爽快感が本当たまりません。

実写キャスティング勢、頼んだぞ!

 

 

 18 位 今度会ったら××しようか 作者:飯田ヨネ 掲載誌:コミックビーム
「ブッ飛んでる女子高生が一番おもろい」
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下世話な『君の名は』って言えばいいんですかね。
ぶっ飛んでるということの大切さが良くわかります。

こんな表紙でもそりゃ月刊コミックビームで連載しているんですものそりゃ二癖はあります。

好きだった先生が死んで、先生が自分に憑いて先生が自分を乗っ取って先生の弟とセックスしようとするからそれを阻止しつつ一生先生と側にいるために先生の弟を色仕掛けで落とそうとする。

んーなんて最高のあらすじなんでしょうか。楽しみです。

 

 

 19 位 スリースター 作者:加治佐修 掲載誌:裏サンデー
「復讐が目標という闇ベクトルで動くスポ根漫画」
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最初に言っとくけど、これ紙刊行を2巻以降やめたら絶対に許さない。

期待感しかない新卓球漫画。
自分を壊し、家族を捨てて卓球コーチをする父親に復讐するためにまた卓球を始めるという復讐ストーリーラインがスポ根としては珍しく非常に楽しみな一昨。

連載レーベル以外は特に心配してないけど、そこが一番心配です。

 

 

 20 位 牛乳配達DIARY 作者:INA 掲載誌:トーチWEB
「26歳の頃の牛乳配達員の思い出なんていいことばかりじゃない」
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26歳の陰鬱とした牛乳配達員の記録。
これほど惹かれるあらすじないでしょ。漫画の崩れた線含めてすごい好きです。

どんな仕事にもやりがいはある!そんな話じゃないんですよね。

特に作中で事故って警察に免許を求められて、渡した免許書が有効期限が切れていた。そして絶望の中、その漫画を描いているいまの作者に戻って「ダメだ…」ってなるの超好きです。

 

 

 

以上となります。

今年は、良作が豊作でしたね。色々もっと紹介したかったのですが、20作で我慢します。下半期には最強の一作が出ることを期待してまた漫画を読んでいきます。