オタしなみ

漫画の点数レビューがメインです。

【評価レビュー】砲神エグザクソン 作者:園田健一

砲神エグザクソン 作者:園田健一

月刊アフタヌーン:1997年10月号~2004年7月号

f:id:otasinami:20201022161132j:plain

【評価 63点】※採点基準についてはコチラ

 

◆総評

胸躍る書影に、エグザクソンのデザインを見れば男の子なら虜になること間違いなしな作品。

アフタヌーンらしい、ただの王道バトルではなく宇宙人に侵略される地球人を代表し、あるときはヒーローとして、あるときは政治的に戦うSFヒロイック作品です。

本作は、派手なようで実は派手じゃない。
そこが本作に対しての評価が分かれる部分かと少し思います。

 

◆点数内訳

・キャラ、世界観、設定(20点満点)
【17点】 

設定が最高ですね。

友好的だった宇宙人に突如、侵略される地球。
そこで唯一、宇宙人と戦う力持った主人公が自身のヒロイックさに酔いつつも、正義を振るうことに悩みながら戦う姿は非常に面白かった。

あとは、それぞれの兵器のデザインが素晴らしい。
1997年という年代を見ても、当時の読者はどれほど興奮したのだろうと想像するだけでわくわくしますね。

あとは、ギンギン系オーキド博士こと砲介じいさんは最高でしたね。
主人公の魅力を喰ってしまうほどの背中にみな惚れること間違いなしのキャラでした。

 

・エンターテイメント(20点満点)
【13点】

この項目は本作で評価しようと思うとめちゃくちゃ難しい。

何故なら、後半はそんなにバトル展開が面白くないからだ。
おそらく本作の媒体がアニメだったらもっと面白かったと思う。

エグザクソンのデザイン上、戦いが盛り上がらないんですよね。大きな力を振りかざすときの犠牲に悩むヒーローとしての葛藤を描くには100点のデザインなんですけどバトルは動けないから盛り上がらない。

コックピットで激しく主人公が動いてても、微妙なんですよね。

そのため、序盤は最高でも後半につれてエンターテイメント性は低くなってしまったと感じましたね。

 

・ストーリー(20点満点)
【11点】

んーーーーーどう?

最初の流れはずっと言っているように完璧なんですけど、黒幕展開や途中からの政治展開が妙に面白くないんですよね、

序盤の容赦なく人々を殺す展開は面白いんですけど、その先の展開に関しては正直微妙だったと思ってしまいました。

大まかな流れは、全然わかるんですけどおそらくアニメでいうと2クールアニメの17話くらいで話が終わってるんですよね。

せめてもう一山話がないとストーリーとしてスッキリしないですね。

 

・面白さ(20点満点)
【13点】 

面白いことは面白い。

展開としては続きは絶対に気になるし、一体どうなるんだ!というわくわく感はずっとあった。序盤で大量虐殺を描くからこそ、先の展開を楽しみながら読めました。

 

・終わり方(20点満点)
【9点】 

おそらく打ち切りですよね。

終盤は駆け足でエピローグはあまりない形の終幕でした。
結果的に、砲介という日本を導くべき存在を失い、不安定な協定を結び偽りの平和を得た。

それを知る主人公は、死人を語り国民を騙すことで見せかけの平和を作り出したのだ!

宇宙人との友好展開は、序盤の虐殺が凄まじ過ぎて納得が難しいんですよね。絶対に数年後展開があるとしか思えない終幕には物足りなさしか感じられなかったです。

好きな作品であるからこそ、より楽しみたかった思いが強いですね。

おそらく『ぼくらの』みたいにアニメ版が別物パターンならすごく面白い作品に仕上がってただろうなと思いました。

 

以上となります。