【評価レビュー】シャーマンキング 著者:武井宏之
著者:武井宏之
週刊少年ジャンプ:1998年31号~2004年40号+描き下ろし
【評価 62点】※採点基準についてはコチラ
◆総評
俗にいう無印シャーマンキングのみの評価になります。
麻倉葉という中二病の権化を生み出し、斜に構えることのカッコよさを少年たちに教えてくれた作品。
この「斜に構えている感」がシャーマンキングの魅力であり、大人気のまま走り切れなかった原因なのかとも感じています。
大人気のまま走り切れなかったことが悪いということはなく、マラソンのようにシャーマンキングが走り続けることを選んだ武井先生の選択に多くのファンは喜んでいるとも思います。
あらゆるシャーマンキングに関するカッコいいイラストが供給され続けることは尊く幸せなこと。
◆点数内訳
・キャラ、世界観、設定(20点満点)
【19点】
少年たちにとっての「麻倉葉」のカッコよさを超える主人公いるのかな?
「太公望」が頂点と思われていた矢先にシャーマンキングの登場という流れは、当時の少年たちの情緒が心配になります。
キャラは最高、世界観も「霊」という日本ベースの世界観を「シャーマン」と繋げることでワールドワイドに昇華されており凄いなと改めて感じます。
設定に関しても、「巫力」など読者に疑問を抱かせる前にカッコよさで黙らせるこのスタイルはこの漫画以外では味わうことができない唯一無二の魅力だと思います。
・エンターテイメント(20点満点)
【12点】
キャラの魅力が高いので、どっちが勝つかには興味はあるのですがその過程であるバトルが面白いかというと少し疑問が残りました。
シャーマンファイトは性質上、能力相撲感があり置いてきぼりになるところは感じました。持霊とのバディ要素や肉弾戦・頭脳戦はどうしても求めてしまいます。
・ストーリー(20点満点)
【11点】
シャーマンキングへの道のりを終始描き切った、ストーリーラインとしては一貫した作品だと思います。
ただ、期待に応えるストーリーだったかというと難しかった印象があります。
「斜に構える」カッコよさが主人公含め作品全体から個人的には感じています。
この「斜に構える」ことで、謎の期待感とカッコよさは生み出されるのですが、ある意味無駄に読者の期待というハードルが上がってしまっています。
その結果、案外王道のストーリーに収束していく展開に満足し辛くなっています。
・面白さ(20点満点)
【15点】
終盤に入るまではやっぱり面白い。
前項でも触れた「斜に構えている」メリットとして、本当に期待しながら読めるし「麻倉葉」という主人公の底の見えなさはどこまでも読みたくなってしまう。
作品全体の流れとしても、読者の予想を裏切る展開も多く尚且つそれがちょっとカッコいいのがまた最高だと思う。
特に仲間内で最強なのがチョコラブであるとかは本当に最高だった。
終盤にその期待が裏切られることが多かったとしても面白かったことは事実。
・終わり方(20点満点)
【5点】
ミカン(未完)ENDではなく、完全版や現在の講談社から出版されている「SHAMAN KING」に収録されているラストまでを含みます。
続編が連載中の時点で終わっていないということは抜きにして、あのラストは予想は裏切られたが、期待には一切届いていなかった。
紆余曲折を経てこのラストに「まぁ、これもシャーマンキングっぽいし、逆にカッコいいまであるのかな」と納得は実際出来るのだが、満足は出来なかった。
納得しているにも関わらず、この点数なのはあのラストだとしたらエピローグを描きすぎている印象が強い。ここまで読んだ結果、問題が先送りにされただけという今までの物語の意義すら揺らいでしまう。
大人になり、「斜に構える」ことすら出来なくなった何の魅力も感じない葉たちを見たとき、今までいただいていた面白さが水泡のように消えてしまいました。
シャーマンキングワールドはまだ続いているので、一発逆転がありましたらまた改めてレビューしたいなと思います。
以上となります。