【評価レビュー】清々と 作者:谷川史子
清々と 作者:谷川史子
ヤングキングアワーズ:2008年11月号〜2015年3月号
【評価 62点】※採点基準についてはコチラ
◆総評
女学院ものを谷川史子先生がヤングキングアワーズで連載していた。
この事実だけで心揺さぶられますね。少女漫画でも大人の女性に向けた恋愛漫画を描くことが主戦場であり、一際強い人気と実力のある谷川先生。そんな谷川先生が漫画界のギャングことヒラコーと同じ雑誌で連載していた事実に震えます。
しかも、男性向けではない設定の漫画をヤングキングアワーズで間違いなく男性でも楽しめる作品に仕上げているのが凄まじ過ぎます。
女学院ものとしても、生徒の先生への恋物語としても満足な一作。
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【評価レビュー】ファムファタル 運命の女 作者:シギサワカヤ
月刊電撃マ王 2007年1月号〜電撃黒マ王 VOLUME12
【評価 57点】※採点基準についてはコチラ
◆総評
黒髪ショートの突っかかってくるリケジョの先輩が彼氏持ち=地獄
冬目景 ⇨ シギサワカヤ ⇨ 二宮ひかる
童貞漫画好きが通る三部作、序破急で言うところの「破」を担うシギサワカヤ先生の最も過酷で地獄を堪能できる恋愛漫画が本作『ファムファタル』。
読みづらさと理不尽によって怒りに苛まれる本作は、素晴らしい恋愛漫画だ。
詩的な物語というワケでもなく、ただただ報連相ができてない意地の張り合いみたいな恋愛があるだけだ。
一般小説ではそこまで珍しい物語ではないかもしれないが、漫画だからこそ味わえる体験が本作には詰まっていると思う。
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【評価レビュー】恋愛ディストーション 作者:犬上すくね
恋愛ディストーション 作者:犬上すくね
ヤングキングアワーズ 1998年7月号〜サンデーGX 2013年8月号
【評価 67点】※採点基準についてはコチラ
◆総評
痴話喧嘩恋愛漫画の決定版、恋愛ディストーション。
恋愛漫画が好きな人はこの漫画の持つ空気感の虜になると思う。
2巻でも十分と感じるような内容だが、この漫画を8巻も続けてくれたことがファンとしてはすごく幸せで嬉しいことなんですよね。
子供の恋以上、大人の恋愛以下の恋物語。
尊い恋の溺れることが出来る学生たちの日常はすごく楽しく羨ましいものです。
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【評価レビュー】ストラヴァガンツァ 〜異彩の姫〜 作者:冨明仁
【評価 50点】※採点基準についてはコチラ
◆総評
個人的ベスト10漫画に入る『玲瓏館健在なりや』を描いた冨昭仁先生の次作。
おっぱい×美しい女性×本格ファンタジー×バイオレンス=おっぱい
おっぱいに何を掛けてもおっぱいでした。
正直に言うと、本作は設定や世界観は素晴らしかったが最初から30巻くらいの構想で描くべきだったと思う。ファンタジー世界としては土地が狭い割に種族が豊富過ぎるなど目につく点が多かった。
最近のハルタ漫画によく見られる傾向だが、画力やディティールの凄まじさだけで世界観を構成することは出来ない。その世界に住む人々の設定全てを論理的に考えるべきだと思う。
巻数と設定に時間を掛ければ、唯一無二の女王を描く超大ファンタジー漫画に足り得た作品だったと感じました。
ただ、作者がいろんなサイズおっぱいを描くためにファンタジーを選んだとしたら間違いないと思う。いや、待って欲しい!だとしたら何で掘小人族のちっぱいは描かなかったんだ!!!!
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【評価レビュー】ムシヌユン 作者:都留泰作
ムシヌユン 作者:都留泰作
ビッグコミックスペリオール:2014年第1号〜2018年第3号
【評価 69点】※採点基準についてはコチラ
◆総評
どうしよう。この漫画めちゃくちゃ面白い。
読もうとする人は少ないだろうけど、読めば基本的にみんなこの漫画のことを面白い漫画だと認識すると思う。
圧倒的な設定量に、唯一無二のシーンの連続。
チンコが化物になった童貞性大魔神と化した主人公が、昆虫とSEXしながら戦い、抗った結果、愛した女性にいやいやフェラされた末に全人類を救う。
これを内包する設定を作りながら、読んで普通に納得できる漫画になっているという本作。
文化人類学者という異例の経歴を持つ都留先生、センスだけの意味ではなく本物の天才が描いた漫画。
成人した全人類の何%がこの漫画を楽しめるのか、すごく気になる。下手したら人気ジャンプ漫画よりも楽しめる人、多い気がする。
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【評価レビュー】青のフラッグ 作者:KAITO
青のフラッグ 作者:KAITO
少年ジャンプ+:2017年9号〜2020年19号
【評価 74点】※採点基準についてはコチラ
◆総評
「面白いけど好きじゃない」
これからしばらくこの作品を読み返すことはあんまりないと思うけど、度肝抜かれるくらい面白かった。青春モノとして今後も記憶に残る名作だと思う。
『クロス・マネジ』『バディストライク』打ち切りが続いたものの青春という視点からはズレなかったKAITO先生。
そんな先生のコメントから、「結果よりも過程を描きたい」この思考を貫き続け丁寧に過程を描いた上での衝撃結末が待っている青春恋愛漫画を描くという初志貫徹した作家性を改めて感じさせられる素晴らしい作品でした。
ついでに本作を勧める場合のコメントは
「秒速5センチメール好きなら、ぜひ」
さらについでに余計な一言を付け加えるなら、
「聲の形読んで、物足りないと思ったあなたにぜひ!」
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