【評価レビュー】ストラヴァガンツァ 〜異彩の姫〜 作者:冨明仁
【評価 50点】※採点基準についてはコチラ
◆総評
個人的ベスト10漫画に入る『玲瓏館健在なりや』を描いた冨昭仁先生の次作。
おっぱい×美しい女性×本格ファンタジー×バイオレンス=おっぱい
おっぱいに何を掛けてもおっぱいでした。
正直に言うと、本作は設定や世界観は素晴らしかったが最初から30巻くらいの構想で描くべきだったと思う。ファンタジー世界としては土地が狭い割に種族が豊富過ぎるなど目につく点が多かった。
最近のハルタ漫画によく見られる傾向だが、画力やディティールの凄まじさだけで世界観を構成することは出来ない。その世界に住む人々の設定全てを論理的に考えるべきだと思う。
巻数と設定に時間を掛ければ、唯一無二の女王を描く超大ファンタジー漫画に足り得た作品だったと感じました。
ただ、作者がいろんなサイズおっぱいを描くためにファンタジーを選んだとしたら間違いないと思う。いや、待って欲しい!だとしたら何で掘小人族のちっぱいは描かなかったんだ!!!!
◆点数内訳
・キャラ、世界観、設定(20点満点)
【12点】
女王のキャラは良かったのですが、周りのキャラの物足りなさと自由奔放な女王を描くために国の規模感が小さくなってしまっているのがファンタジーの面白さを殺しているように感じました。
キャラ・世界観は良いのに、描きたい展開としては相性が悪かったと言うのが正しいのかもしれません。
ただ各種族のディティールの凝り方は凄まじい。そして各種族のキャラクターの性格もそれぞれにあった性格をしており素晴らしかったです。
この世界観だったらストーリーが遅くても絶対にみんな虜になっていたと思う。
・エンターテイメント(20点満点)
【8点】
おっぱいは確かにエンターテイメントだし、美女が縛られて鞭打ちされてるのもエンターテイメントだと思う。
ただ、ストラヴァガンツァの世界観でそのエンターテイメントは求めていないんですよね。どちらかで言うと唯一無二の世界観、戦闘や種族間の交流などを楽しみたかった。
女王の恋愛は、立場上絶対に世継ぎが必要な時点で描くべきなのに結果、番外編の最終話で少し出されただけだった。10年後の時点で結婚してないのは流石に国としてヤバイでしょ……。ナウシカのように世界を旅する過程で王の道を逸れる流れならまだしも、女王として生きるのであれば結婚しない理由も描くべきだった。
戦闘に関しては最序盤のウンバと兵士が戦うMMORPG的なタンク・DPS・ヒーラーを揃えた戦闘を冨先生は描くつもりだっただろうし描けていたと思う。
ただ、種族が揃った状態で本格的にその戦闘が描けるとなったときに描いてはくれなかった。
巻数が足りなかったことはわかるが、その部分を描かずに読者をおっぱいファンタジーだけでは楽しませ切れなかったとも感じました。
・ストーリー(20点満点)
【10点】
巻数が足りないと言っていますが、おそらく手早く先生は描くつもりだったと思うのでそこまで打切り漫画という認識はないです。
だからこそ、本作は案外しっかりと初志貫徹的に一本のストーリーになっている。駆け足であったことには違いないが、ストーリーとしては破綻もしていないと思う。
ただストーリーが面白かったわけではないので点数は低めです。
・面白さ(20点満点)
【11点】
美しいおっぱいが出てきたら、それだけで面白くはある。
そのおっぱいが如何にしてどんどん出てくるのか、そのおっぱいが一体どうやって辛く苦しい日々と戦うのか、おっぱいがどんな幸せを迎えるのか……。
読んでいてやっぱりこの美しい女性たちの行く末は気になるし、国の存亡もやっぱり気になる。ただ、ファンタジー漫画が好きな人たちはこの漫画の展開に度肝抜かれることはなかっただろうし、リョナ好きの方々は物足りなかったと思う。
各キャラたちは魅力的なので、それぞれの物語は面白かったです。
・終わり方(20点満点)
【9点】
うーん。エピローグは良かったのですよ。
でもやっぱりこの世界観の異様な狭さには納得しづらい部分がありますよね。
ミクロな視点で見ると、どのキャラも魅力的な良い話が多いので、楽しめは全然できるんですけどね。
冨先生は大好きな作家先生の一人で、学生群像劇を描かせたら右に出るものはいないと思えるほどです。今度は、生徒会ものが読みたい!
以上となります。