オタしなみ

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【評価レビュー】逃げるは恥だが役に立つ 作者:海野つなみ

逃げるは恥だが役に立つ 作者:海野つなみ

Kiss:2012年22号〜2020年4月号

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【評価 74点】※採点基準についてはコチラ

 

◆総評

大人日常漫画のハズなのにこの上なくキュンキュンできる恋愛漫画

この漫画は「生活」の上に恋愛や結婚、仕事がある。
「生活」が人生においての中心であり、恋愛と結婚が全てじゃない。ただ、表紙の通り人生にはいろんな出来事がある。そんな全ての要素を漫画に入れ込むのは難しいし、ストーリー漫画として描こうとしたら超大なファンタジー作品を描くより困難だと思う。

ただ、本作は契約結婚という特殊な設定から、主人公たちの人生、「生活」を非常に面白く描けている。そんな「生活」を描けているからこそ、本作の恋愛要素は心からキュンキュン出来るのだと思った。

『恋』
この漫画の圧倒的に面白い要素を主題歌名にする辺り、星野源ってすごいなーとふわっと思いました。

 

◆点数内訳

・キャラ、世界観、設定(20点満点)
【17点】

契約結婚
この設定は非常に面白いし、状況設定としても惹きがある。
ただ、それ以上にこの「契約結婚」に至る過程とこうなった二人が面白すぎる!

みくりの掴み所のないキャラクターにはリアリティを感じるし、平匡のチキンっぷりも異様な納得感がある。
作者あとがきからわかる今まで描いていきた物語の数の重みを感じるプロのキャラの立たせ方、感服いたしました。

 

・エンターテイメント(20点満点)
【14点】

特に4巻〜5巻にかけての恋愛展開は、ほぼ最強クラスのキュンキュンが楽しめた。
改めて度肝抜かれましたね。常にキュンキュンではなく生活面の比重が大きいからこそ、恋愛展開にメリハリがついていて、本当にキュンキュン最高打点はパなかった。

14点ということでマイナス6点の正体は、後半の著者が描きたいことに走った結果、
恋愛要素ほど楽しめるものはなかったという感じでしょうか。

一度連載が終了した9巻を読んだときは、正直恋愛漫画として楽しんでいたので、
求めていない話とわかりきった展開の投げやりなゴールに哀しくなった思い出すらあります。

仕事展開でもっと面白い展開があれば、と思いますがそうすると20巻を超えてそうなので仕方ないかなとも思います。

 

・ストーリー(20点満点)
【16点】

いやぁ、続編というか二部の10巻・11巻のおかげでストーリーがめちゃめちゃ締まりましたね。この二冊がなかったら10点とかにしてたと思います。

契約結婚 ⇨ 妊娠・出産

ありきたりな着地ですが、みくりはハウスキーパーからキャリアウーマンになって共働きの夫婦になった上で、契約結婚らしい二人の生活が描けているのだから本当にすごい。

結果的に二人の物語だったのですが、サブキャラの話の割合が多かったのがマイナスの要因ですかね。サブキャラのおかげで二人の幸せが際立っているようにも感じるけど、だとしたらそれはそれでなんか恐い。

 

・面白さ(20点満点)
【14点】 

序盤から中盤は本当にページをめくる手が止まりませんな。
会話が作中結構多いし、その会話もん?何言ってんだ?みたいな話や考え方が多いのですが、それもすごく面白い。

二人の恋が面白いと散々言っていますが、本作がこうやってあぁ面白かったと思えるのは、恋という過程の先を描いているからこそだとも思う。

ずーっとラブラブな夫婦より、やっぱり最初のアツアツの時が一番燃えるよね状態に似てる気がして面白いですね。

 

・終わり方(20点満点)
【13点】

物語としては非常に納得も出来て、最初に予想していた以上の二人の成長にビックリさせられる良いラストだったと思います。

個人的に高得点を出せないのは、あそこまで描いたサブキャラクターたちのラストが幸せでない。と言ったら言い過ぎかもしれませんが結局なんのために描かれたキャラなのかを個人的に理解できなかったためです。

「人間素直に生きないとこうやってパートナーを逃して寂しく苦しくなるよ」
いやいやまさかと思いますが、こう感じているのが本心です。

主人公二人が契約結婚という歪な関係から始まったものの、結果愛し合う。
どんな形でも、まずは人に歩み寄らないと幸せは得られない。

んーこんなことが言いたいわけではない気がするのですが、、、、個人的読解力のなさのせいかもしれませんが結末として少しこの部分がスッキリしてないです。

 

 

以上となります。